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2005/03/21

フランクリン自伝 岩波文庫

「フランクリン自伝」(松本慎一・西川正身訳、岩波文庫)

ベンジャミン・フランクリンといえば、雷雨の日に凧をとばして電気を確認した科学者として知られています。また科学者であるとともに出版業者、哲学者、経済学者、政治家、そして何よりもアメリカ資本主義のそだての親としての半生を、人生の大成功者であるフランクリンが自分の子孫のために、どうして自分は成功できたのかをわかりやすく淡々と書いています。

印刷の植字工として働いていたときのことです。他のみんなが昼にビールを飲むときでも、自分はパンのかけらで質素な食事をとり、人の倍以上働いていました。本が好きで、そうして蓄えたお金で本を買って勉強しています。

攻撃的な性格で、人を議論でやり込めなければ気のすまないフランクリンでしたが、一度コテンパンにやっつけた政治屋から決闘を申し込まれ、命拾いしてからは、謙譲をもって人に接することの大切さを説いています。

人にものを教える場合にも、教えているような風をしてはいけない、その人の知らないことでも、忘れたことにように言い出さなければならない、さらに確かなことでも確信なげに話せと勧めています。

自分の足りないところを補うために、「13徳」というものを定め、常に守れているかをチェックしました。一番目から始めて、それを守れるようになってから次の項目に進むというように常に自分に言いきかせていたのです。

13徳とは以下の通りです。

第1 節制 飽くほど食うなかれ。酔うまで飲むなかれ。
第2 沈黙 自他に益なきことを語るなかれ。
第3 規律 物は全て所を決めて置くべし。仕事は全て時を定めてなすべし。
第4 決断 なすべきことをなさんと決心すべし。決心したことは必ず実行すべし。
第5 節約 自他に益なきことに金銭を費やすなかれ。すなわち、浪費するなかれ。
第6 勤勉 時間を空費するなかれ。つねに何か益あることに従うべし。無用の行いは全て断つべし。
第7 誠実 偽りを用いて人を害するなかれ。心事は無邪気に公正に保つべし。口にだすこともまた然るべし。
第8 正義 他人の利益を傷つけ、あるいは与うべきを与えずして人に損害を及ぼすべからず。
第9 中庸 極端を避くべし。たとえ不法を受け、憤りに値すと思うとも、激怒を慎むべし。
第10 清潔 身体、衣服、住居に不潔を黙認すべからず。
第11 平静 小事、日常茶飯事、または避けがたき出来事に平静を失うなかれ。
第12 純潔 性交はもっぱら健康ないし子孫のためにのみ行い、これに耽りて頭脳を鈍らせ、身体を弱め、または自他の平安ないし信用を傷つけるがごときことあるべからず。
第13 謙譲 イエスおよびソクラテスに見習うべし。

なかなか難しいですが、一度チェック表をつくって実行してみてはいかがでしょうか。

付録の「富に至る道」は、リチャード・ソーンダーズという名で暦を販売していたフランクリンが、リチャードの名を借りて、成功するにはどうしたらよいか、富に至るにはどうしたらよいかを書いています。ぜひご一読ください。

心に残った言葉

私は他人の自惚れに出逢うといつもなるべくこれを寛大な目で見ることにしている。自惚れというものは、その当人にもまたその関係者にも、しばしば利益をもたらすと信じるからである。

神のもっとも嘉し給う(喜ばれる)奉仕は人に善をなすことである

間違いだと思われることを人が主張した時でも、頭から反駁したり、いきなりその主張の不当を指摘して快を貪るようなことはやめ、これに答えるにも、まず最初に、時と場合によっては君の意見も正しいだろうが、現在の場合はどうも違うようだ、自分にはそう思えるが、などと述べるのであった。

この五十年間、私の口から独善的な言葉が出るのを聞いた者は恐らく一人もあるまい。

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コメント

こんばんは!
松下翁のサイト情報ありがとうございました。
こちらこそ、よろしくお願いします♪

投稿: hary | 2005/05/03 00:44

haryさん、コメントありがとうございます。
金言たのしみにしています。
今後ともよろしくお願いします。

投稿: たっくん | 2005/05/04 12:40

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★本日の金言豆★あいだみつを人生訓カレンダーの元祖は、フランクリン ベンジャミン・フランクリンといえば、日本ではせいぜい、”凧あげで雷の電気を捉えた科学者”程度の認知度で、一部年齢層の方はむしろベンジャミン伊東を連想されるかもしれませんが、実は優れた出版業者で... [続きを読む]

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